
気に入った部屋が見つかると、早く決めたくなるものです。ただ、賃貸契約は毎月の家賃だけでなく、契約時にまとまった初期費用がかかり、契約条件にも確認しておきたい点があります。あとで「聞いていなかった」とならないよう、契約前に見ておきたい費用と項目を整理します。
契約時にかかる「初期費用」の内訳
賃貸契約では、家賃のほかに、契約時にまとまった費用がかかります。物件や地域によって項目や金額は異なりますが、代表的なものを知っておくと、見積もりを見たときに理解しやすくなります。
- 1敷金退去時の原状回復や家賃の未払いに備えて預けるお金。退去時に精算され、残りが返還されるのが基本です。
- 2礼金貸主へのお礼として支払うお金で、返還されないのが一般的です。物件によっては礼金なしの場合もあります。
- 3仲介手数料契約を仲介した不動産会社に支払う手数料です。
- 4前家賃・日割り家賃翌月分の家賃や、入居月の残り日数分の家賃を前もって支払うものです。
- 5その他火災保険料、鍵の交換費用、保証会社の利用料などがかかる場合があります。
仲介手数料については、宅地建物取引業法にもとづき、貸主・借主から受け取れる合計の上限が家賃の1か月分+消費税と定められています(借主が支払う分の扱いには一定のルールがあります)。金額の内訳に疑問があれば、契約前に確認しておきましょう。
*仲介手数料の上限は宅地建物取引業法および国土交通省告示で定められています。具体的な負担割合や取り扱いは、契約内容と最新の公式情報をご確認ください。
契約書・重要事項説明で見ておきたい項目
契約の前には、不動産会社から「重要事項説明」を受けます。専門的な内容ですが、次のような点は特に確認しておきたいところです。
- 毎月かかる費用(家賃・共益費/管理費など)の総額。
- 契約期間と、更新のときにかかる費用(更新料など)の有無。
- 解約するときの申し出の期限(退去の何日前までに連絡が必要か)。
- 退去時の原状回復の範囲と、敷金の精算の考え方。
- 禁止事項(ペット・楽器・又貸しなど)や、設備の故障時の連絡先。
退去時のトラブルで多いのが、原状回復の範囲です。通常の使用による経年変化と、借主の負担になる範囲の線引きについては、契約前に確認しておくと安心です。国土交通省が原状回復に関する考え方の目安を公表しているので、あわせて参考にできます。
*原状回復の範囲については、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で考え方が示されています。実際の契約内容が優先される場合もあるため、契約書とあわせてご確認ください。
内見・申し込みのときに確かめたいこと
- 日当たり・騒音・においなど、写真ではわかりにくい点を現地で確認する。
- 携帯の電波や、周辺の買い物・交通の便を実際に見ておく。
- コンセントの位置や収納の広さなど、暮らしに直結する部分を見る。
- 気になる費用や条件は、申し込み前に質問して書面で確認する。
まとめ
賃貸契約は、毎月の家賃だけでなく、契約時の初期費用と契約条件の確認が大切です。敷金・礼金・仲介手数料などの内訳を把握し、契約期間・解約の期限・原状回復の範囲といった項目を、契約前に確かめておきましょう。気になる点は遠慮せず質問し、できれば書面で残しておくと、あとのトラブルを防ぎやすくなります。