「もう辞めたい」と思ったとき、その気持ちは本物です。ただ、辞めるかどうかを決めるのは、いったん落ち着いてからでも遅くありません。この記事では、保育士の離職理由として各種調査でくり返し挙がるものを確認したうえで、勢いだけで決めないために整理しておきたい3つのことをまとめました。
保育士の離職理由としてよく挙がるもの
保育士の退職・離職に関する調査は、自治体や民間の各団体が継続的に行っています。調査によって数字には幅がありますが、上位に挙がる理由には共通した傾向があります。
- 1職場の人間関係園長や主任、同僚との関係。相談しにくい雰囲気や、方針の食い違いなど。多くの調査で最上位に近い位置に挙がります。
- 2仕事量・持ち帰り仕事の多さ行事の準備や書類業務が勤務時間内に終わらず、負担が大きいと感じるケース。
- 3休暇が取りにくい人手不足で有給が使いにくい、希望休が通りにくいといった声。
- 4勤務時間・残業の負担早番・遅番のシフトや、サービス残業になりやすい構造への不満。
- 5聞いていた条件とのギャップ給与・賞与・業務内容が、入職前に説明されていた内容と違ったというケース。
*上記は厚生労働省や各種民間調査などで継続的に上位に挙がる理由を整理したものです。調査は複数回答であることが多く、順位や割合は調査ごとに幅があります。
こうして並べてみると、「保育の仕事そのものが嫌になった」というより、働く環境や条件への不満が中心であることがわかります。これは大事なポイントで、次に整理する内容にもつながります。
辞める前に整理しておきたい3つのこと
1. 「何が一番つらいのか」を一つだけ言葉にする
つらさが重なっているときほど、原因がひとかたまりになって「全部もう無理」と感じやすくなります。まずは、いま一番つらいことを一つだけ書き出してみてください。人間関係なのか、時間なのか、給与なのか。一つに絞ると、それが「この職場だから起きていること」なのか、「保育士という仕事だから避けにくいこと」なのかが見えやすくなります。
2. その原因は「職場固有」か「職種固有」かを分ける
たとえば、特定の人との関係や、その園の運営方針が原因であれば、職場を変えることで解決する可能性が高いといえます。一方、早番・遅番のシフトそのものが体に合わないのであれば、同じ保育士の正規職員として転職しても同じ悩みが続くかもしれません。その場合は、パートや小規模園、認定こども園以外の選択肢など、働き方ごと見直す方が合っていることもあります。
「辞める/続ける」の二択になりがちですが、実際には「職場を変える」「働き方を変える」という中間の選択肢があります。原因を分けて考えると、その中間の選択肢が見えてきます。
3. 辞める以外の手も一度だけ机に乗せてみる
辞める決意が固まっていても、いったん「辞めずに状況を変える方法はないか」を一度だけ考えてみると、判断に納得感が出ます。配置の相談、勤務形態の変更、信頼できる人への相談などです。試したうえで「やはり変わらない」とわかれば、転職という選択への迷いも小さくなります。
まとめ
保育士が辞めたくなる理由の多くは、仕事そのものより働く環境や条件にあります。だからこそ、原因を一つに絞り、それが職場固有か職種固有かを分けて考えることで、「辞める」「職場を変える」「働き方を変える」のどれが自分に合うかが見えてきます。気持ちが追い込まれているときほど、整理してから動くことが、後悔しない選択につながります。