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会社員と個人事業主で違う「税金・社会保険」のきほん

公開:2026年7月27日

机の上に置かれた書類と電卓

独立や副業を考え始めると、「会社員のときと何が変わるのか」がわかりにくく感じられます。金額の大小より先に、税金の納め方と社会保険のしくみが別の形になっている点を押さえておくと、後の判断がしやすくなります。この記事では、両者の違いを制度の面から中立に整理します。

違いは大きく3つに分けられる

細かい制度を並べる前に、どこが変わるのかを大きく分けておくと理解しやすくなります。会社員と個人事業主の違いは、おおむね次の3点に集約されます。

どちらが有利かは、収入の額・家族構成・働き方によって変わります。ここでは損得ではなく、しくみの違いとして見ていきます。

税金のしくみはどう違うか

会社員は源泉徴収と年末調整

会社員の場合、所得税は毎月の給与からあらかじめ差し引かれます(源泉徴収)。1年の終わりに、その年の実際の金額に合わせて過不足を精算するのが年末調整です。多くの人は、勤務先に書類を出すことで手続きが完了します。

ただし、医療費控除や寄附金控除など年末調整では扱えないものがある場合や、給与以外の所得が一定額を超える場合には、会社員でも確定申告が必要になることがあります。

個人事業主は自分で確定申告する

個人事業主は、1年間(1月1日から12月31日まで)の収入と経費を自分で集計し、原則として翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告を行います。所得税だけでなく、住民税や、条件によっては個人事業税・消費税の扱いも関わってきます。

差し引けるものの考え方が違う

会社員の給与所得では、実際に使った金額を個別に計上する代わりに、給与の額に応じた一定額(給与所得控除)が差し引かれます。一方、事業所得では、売上からその事業のために使った費用(必要経費)を差し引いて所得を計算します。領収書や帳簿を残しておく必要があるのはこのためです。

帳簿づけの方法によって「青色申告特別控除」を使える場合があります。控除額は記帳の方法や申告のしかたによって10万円・55万円・65万円と分かれており、要件を満たしているかどうかで変わります。適用の条件は国税庁の案内で確認するのが確実です。

*参考:国税庁「所得税のしくみ」「青色申告制度」ほか各タックスアンサー

社会保険はどう違うか

医療保険(健康保険と国民健康保険)

会社員は勤務先を通じて健康保険に加入し、保険料は会社と本人で分担します。個人事業主は、市区町村の国民健康保険や、業種によっては国民健康保険組合に加入するのが一般的です。保険料の計算方法や、扶養の考え方の有無が異なります。

年金

会社員は国民年金に加えて厚生年金にも加入します(第2号被保険者)。個人事業主は国民年金のみの加入(第1号被保険者)となり、上乗せしたい場合は国民年金基金やiDeCoなどの制度を自分で選ぶ形になります。

労災保険・雇用保険

労災保険と雇用保険は、雇われて働く人のための制度です。個人事業主は原則として対象外で、仕事を失ったときの給付や、業務中のけがの補償が自動的には付きません。一部の業種では労災保険に特別加入できる制度もあります。

*参考:日本年金機構「国民年金の被保険者の種別」、厚生労働省「労災保険への特別加入」ほか

立場が変わるときに確認したいこと

会社を辞めて独立する場合や、逆に事業から会社員に戻る場合には、切り替えの手続きが同時にいくつも発生します。抜けやすいのは次のような点です。

手続きの多くには期限があります。辞める日が決まった時点で、いつまでに何を出すのかを一覧にしておくと落ち着いて進められます。判断に迷うものは、税務署・年金事務所・市区町村の窓口に確認するのが確実です。

まとめ

制度は改正されることがあり、また個々の状況によって当てはまり方も変わります。大枠をつかんだうえで、実際の判断は最新の公的な案内や専門家への相談と合わせて行うと安心です。

この記事は制度の一般的なしくみをまとめたものであり、個別の税額や手続きの可否を判断するものではありません。適用の条件は改正されることがあります。実際のお手続きやご判断は、国税庁・日本年金機構・お住まいの市区町村の最新の案内や、税理士等の専門家にご確認ください。
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